子供にはあえて強制しません
小さい頃は好き嫌いが多く、母に強要されて無理に食べようとすると気分が悪くなりました。
私の母は決して料理がうまい方ではなく、野菜はいつも大きく切られ、魚は干した魚を焦げるまで焼いて出し、子供の為を思って子供が食べやすい物を作る配慮など全くしない人でした。
いつも心の中で(おいしくない)と思いながら、母に気を遣って「おいしいよ」と言い、母がテーブルを離れたときにこっそりと料理を捨てていました。
でも見つかるとひどく怒られたし、嫌いなものを食べるのも辛いし、量もいつも大量に出されるし…
子供ながらにとても辛かった記憶があります。
だから私はあえて自分の子供に、嫌いな野菜を食べさせようとしません。
ある程度成長すると、味覚も変わってくるからです。
自分から食べてみて、(ん?おいしいぞ)と感じ、その時を境に普通に食べられるようになります。
私はその時まで強制的に野菜を食べさせるのではなく、食べてみようかな?おいしそうだぞ、食べたら意外においしいじゃない!と言う気持ちになるまで待ちたいのです。
一昨年の夏、ホテルで食事をしたときに、コース料理の先付けでゴーヤのお浸しが出てきました。
うちの子はゴーヤが嫌いでしたが、綺麗な小さい器に盛られたゴーヤがおいしそうに見えたらしく、お浸しのお出汁が香りよく、またキンキンに冷えていたので、めずらしく自分から食べ始めました。
「うまいっ!」と目を輝かせ、私の分まで平らげました。
それ以来、うちでもゴーヤチャンプルーにして出したところ、ゴーヤを食べるようになりました。
調理法も大事です。
ホテルで食べた先付けのゴーヤは、きれいに薄くスライスされ、おいしいだし汁に浸かり、全く臭みがありませんでした。
さすがに家であのようにはできませんが、あのおいしかった記憶のお陰で、ゴーヤを食べることができてます。
何かのきっかけで苦手な野菜を食べられれば、その後もその野菜を食べてくれるはずです。