きゅうり嫌い

ニックネーム:うつうつ さん
苦手な野菜:きゅうり
年齢:50歳

小さい頃から、「きゅうり」が大嫌いでした。どんなに細かくきざんで中華風のサラダに入っていても、ポテトサラダや、大好きなサンドイッチに入っていても、なんとか「きゅうり」からは逃れようといつもしていました。

就職して小学校の教師になった時、ある日「きゅうりの中華づけ」という給食と出会ってしまいました。中華風の味をした2,センチほどの長さの太いキュウリが皿に入れられて配られてきました。

職業上「好き嫌いしない」というのが建前なのです。しかし、薄切りのきゆうりなら何とかなったけれども、口に入れた時に「シャリシャリ」言うくらいの太さはどうしても我慢ができませんでした。

しかし、残すわけにもいかず、仕方なく口にきゅうりを入れた後にすぐにパンを食べ、少しでもその感触や味を薄めようと努力しながら、思いっきり子ども達には「好き嫌いなく食べなさい!」と偉そうに言っていたものです。

そのキュウリが抵抗なく食べられるようになったのは、つい最近の事です。
体調の関係から仕事を「早期退職」せねばならなくなり、毎日を妻に代って「専業主夫」として仕事をし出した頃でした。

なにかの料理でしかたなくきゅうりを買ってきて、「さあ料理しよう」と思った時、その、まな板の上に載っているきゅうりの「鮮やかな緑色」に感動しました。「おいしそうだ」と初めて思いました。

こんなことを言っては失礼だとは思います。しかし、きゅうりと言えば、どうしても爪楊枝にさして「海苔が入っていた瓶」の中に砂を引いたところにさしている「鈴虫のエサ」というイメージが抜けなかったのです。

ところが、自分で選んで自分で料理しようとしているきゅうりがあまりにも美しく、「これはきっとおいしいだろう」とつい思いこんでしまったのです。

それ以来、サラダにきゅうりが入っていてもなんとも思わなくなりましたし、サンドイッチのきゅうりも気にならなくなりました。

やはり、自分で元の姿を見て、そのみずみずしさや緑の美しさを感じる事で、「好き嫌い」というものはある程度克服できるものだなぁと今は思っています。

ただ、今まで自分が背作った料理の中に、まだ「太いキュウリを使った料理」というものはありません。ということで、「薄切りや千切りのきゅうり」に関しては、ほぼ完全に克服できました。

しかしあの給食で出てきたような「太いキュウリの料理」に関してはまだ、自分でも作ったことがありません。作る事に関してもやはりまた、抵抗があります。

損な料理を作り、食べる事が出来れば自分の「きゆうり嫌い」も完全克服できると思っています。
ただ、そんな料理を作るような気持ちは今は残念ながら起こらないのが「現実」なのです。

教訓:自分で一から作ってみれば、案外「おいしそう」に見えることもあるし、「自分で食べてみよう」と思えるのではないでしょうか

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