なすってこんな美味しかったんだ！

私は小さな頃からなすが苦手でした。

あのブヨブヨした触感と小さな種がずらっと並んでいる見た目が気持ち悪く、一度食べてからは食わず嫌いで給食などで出ても絶対食べられませんでした。

切って中身(断面)を見なければ苦手ではなかったのですが、料理に出てくるものは当たり前ですが全て切られているものなので小さな頃に一回きり、それからは全く食べなくなってしまいました。

ある時何の用事だったかは忘れてしまったのですが、私は2駅か3駅くらいとなりのおばあちゃんの家に電車で揺られながら向かっていました。その時は確か家を出発する前に「おばあちゃん、お昼にはカレーを作ってね」と電話していたと思います。私は小学校からずっとおばあちゃんのあの甘いカレーがとても好きで、おばあちゃんの家に行くときには必ずカレーをリクエストしておいたのです。
到着するとおばあちゃんはすでにカレーを作っているところでした。お鍋からはカレーのよい香りが漂っていました。

おばあちゃんはその日冷蔵庫に入っているものでカレーを作るので、時によってウインナーやりんご、エビなど具はさまざまでした。
その日、おばあちゃんは「今日はナスをいれておいたよ」といいました。私は内心「ええ〜〜っ！」と泣きそうでしたが、せっかくおばあちゃんが作ってくれたものを残すわけにもいかず、一口食べてみると…。

あれ、おいしいぞ。普通に食べれる！

おばあちゃんのカレーのおかげで私はナスを完全に克服したのでした。